中国、さてはて最近になって韓国までも「靖国神社参拝中止」を訴えるようになってますけど、
(韓国の場合は根幹でもなんでもなく韓国政府が言い出したのは近年なのでスルーするが)なんでこんなに過熱するのか、と。
中国としては小泉総理には靖国神社に行ってもらって非難の材料として燃料投下を期待しているところが戦略的には大きい。
本気で反対してるとは思えない。
だって普通考えてみればこうです。
本気で反対するのならば政治的な外交というのはここまでガチンコにはしないです。
ここまでガチンコにしてしまうと、いざ中止した場合、「日本は中国に服従してしまった」と日本国民の激怒を買い、
とてもスルーできない大問題として国内政治としては非常にまずい事になります。
この場合靖国参拝がいいのか悪いのかとかそういう問題で済まなくなるわけです。
小泉総理に行くな行くなと公言すればするほど中国は小泉総理を追い込む事になり参拝中止は難しい事になるわけです。
こんなロジックくらい外交などと大げさでもなく、営業など、交渉をした人間ならばすぐわかると思います。
さて、ホントに小泉総理が参拝しなかったら、というのを考えると自ずと中国の意図が見えてくると思います。
4月に起きた反日暴動、そしてバンドン会議にぱったり沈静化したという中国が自らコントロールしてまっせを露呈してしまうギャグに等しい反日デモがありましたが、
この反日デモは当初予定では、中国政府に対するデモであって、それを中国公安によって反日デモに誘導されたわけです。
この時点で「はい、ごめんなさい」と謝罪したり、「靖国参拝中止します」と表明するとどうなるかというと、
中国国民の反政府感情は矛先を日本にスライドする事はできなくなり中国政府にそのまま直球になるわけです。
ひどい場合には内乱すらありえるわけです。それが一党独裁のリスクというやつです。
バンドン会議の時、小泉総理が謝罪した事について中国国内での報道はあまりありませんが、それもその一環です。
そしてその情報を入手したときの中国国民の流れの方角が滞留してうずまいた瞬間というのはなんとなく感じたかと思います。
方向性を一瞬失ったというか。
さて、まぁ小泉総理が言うとおりになると外交的に高圧的にも日本には取れなくなると、中国は内政にも外交にも有利を維持するのが難しいというか、簡単にはいかなくなるわけです。
つまるところ胡錦涛政権を小泉総理が支えてるという構図がこの靖国参拝についてはあるわけです。
中国にとっては死活問題レベルであるので小泉総理の個人的心情の参拝強行とはちょっと議論に差があるわけで、
とりわけ日本国内で行われている靖国参拝の是非についてはそれはそれで、いいんですが、外交的には無意味極まりないです。
さ・て
中国が歴史問題で日本を責めるのは
1972年の日中共同声明
1978年の日中平和友好条約
1998年の日中共同宣言
この3つ。
日本は中国を侵略することを認める事。
侵略者はA級戦犯と一部の独裁者である事。
台湾と中国は一つの中国である事。
なんて事がお題目になってるようなもんですけど、中でも侵略者は数名の戦犯で他の日本国民は被害者である。
戦犯者に賠償金を払うこともできないから免除するけど、その戦犯達に成り代わって、
「日本は常に永久に中国に謝罪する事」
てな事となっている。これが中国が攻める理由であります。
ようするに賠償金ではなく永久の謝罪を選んだわけで、結果的には多額のODAにも感謝されず、日本の教育について内政干渉を受けても文句言えず、
反日暴動でめたくそやられても中国からまともな答えを貰えないというのはここに尽きるわけです。
小泉総理も謝罪するために靖国神社へ行く、というわけですな。
日中友好をなんとかするならこの3つの条約をなんとかせんといかんわけで。
ただ、アメリカが中国を仮想敵国にしてる以上、無理だけど。
てなわけで、過去に行われた条約や外交というのが、未来の世代にえっらいお荷物になるという典型例ですね。
憲法や条約というのは当時正しいとしても後生大事にすべきものではなく、常に即して変えていかないと自分の布団の中でしか通用しなくて、ベッドの外では無意味な物になるというわけです。